ほーどーのじゆー [考える。]
*昨日のネットニュースでこんな記事を発見。
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地方紙3社に賠償命令=共同通信の責任は否定
東京女子医大事故報道・東京地裁
2007年09月18日19時52分
東京女子医大病院(東京都新宿区)の医療事故に関する共同通信社の記事で名誉を傷つけられたとして、
刑事事件で一審無罪となった医師佐藤一樹被告(44)=検察側控訴=が
同社と記事を掲載した地方紙3社を相手に総額2090万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が
18日、東京地裁であった。
綿引穣裁判長は「通信社からの配信というだけでは、記事の内容が真実だと誤信する理由にはならない」として、
3社に計385万円の支払いを命じた。共同通信の責任は認めなかった。
3社は秋田魁新報社(秋田市)、上毛新聞社(前橋市)、静岡新聞社(静岡市)。
綿引裁判長は共同通信について、「警察会見などから佐藤被告の医療ミスが原因と信じる理由があった」
と述べた。
一方、「一定の信頼性を有しているとされる通信社の配信記事であっても、
真実性について高い信頼性が確立しているとは言えない」とする最高裁判例を引用。
記事を掲載した新聞社の責任は免れないとした。
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?????この記事の書き方、分かりにくくないですか?
基礎知識として・・・
女子医大の医療事故についてはここでは詳細は触れませんが、心臓手術を受けた少女が手術後に
亡くなったこと。この件では警察による捜査が行われて佐藤医師が起訴され、それにともない、
新聞・テレビ・週刊誌などのマスコミは一斉に、医師の医療ミスと報道した。
この事故については、その後調査が進むにつれていろいろな事情があることがわかり、
結局一審で医師は無罪になった。
医師が悪いと言う論調が当時から強かったこともあり、多くの医師、医師だけでなく多くの人たちが
この件について関心を強く持った。
・・・ミスがあったかどうか(ミスといえるのかどうか)、カルテ保全の問題、
女子医大の医局の人間関係などなど、いろいろな問題が明らかになっている。
私としては「被告」とされた医師に全く落ち度はなかったと思いますが、
ここでそれを論じるつもりはありません。
それについては佐藤医師のblogなどをご参照ください。
こんな事があるのか、とおもうことが沢山書いてあります。
で、この記事なのですが、ちょっと意味が分かりにくいですよね?
要するに共同通信という会社が、「医師が有罪」として(名誉を傷つけるような)記事を書いた
→それを地方紙がそのまま配信した
→それについて名誉毀損の訴訟がおきたが
→地方紙は有罪、でも共同通信は無罪、ってことですね?
その理由が
当時の警察の会見からすると(それも間違ってたわけだけど)、
共同通信が「医師にミスがあった」と思っても仕方がない、だからそれを配信したのは無罪。
でもそれを共同通信の配信だからと信じちゃって、新聞に載せた地方紙は
ちゃんと確かめなかったから、だめ。共同通信が大きな会社だからって、
信じちゃダメだよ・・・ってことになりませんか?
私の解釈間違ってたらご指摘ください。いまいちよく判らない記事なんだよね。
これについての共同通信のコメントも読んだが、それについては後日語るとして、
そもそも報道する側には、取材をして確かめるという義務はないのか?
警察発表ですら鵜呑みにするな。ましてそこから悪意のある記事を沢山書くのはなんでなの?
共同通信の責任がないというのは納得できない。
「みのもんた」みたいな暴言三昧なのは問題外としても、テレビや新聞で何かを言うって事は、
すごく慎重にならないといけないこと。
佐藤医師は、非常に優秀な心臓外科医だったのに、この件で手術もできなくなり
医師として一番脂ののりきった時期を失いつつある。
子供の心臓手術の上手な医師は日本でも数えるほどしかいないのに、もったいない。
もちろん亡くなったお子さんのことはお気の毒だと思います。
ご家族にはご家族のお気持ちもあると思います。
せめてこの裁判で真実がわかる事が大事なのだとも思います。
ご冥福をお祈りします。
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「エセ・ブラックジャックの正体 シリーズ」は今回はお休み。次回以降にご期待。







まず、発端となった報道について、それが正しかったのかどうか、正しくなかったとしてもそれは仕方のないことだったのかどうか、私には分からないので棚上げにした上でのコメントです。
報道各社には自社で取材をして検証する義務は当然あるわけですが、通信社の配信記事を、地方紙がさらに検証する(取材する)というのは、無理かと思います。自社で取材をする力があるなら、そもそも配信など受けないわけですから。
今回の判決は、読売の記事を見る限り、クレジットをいれなかったのが問題視されているような印象を受けます。「自分とこの新聞社で取材したんではなくて、通信社からの配信ですよ」ということが読者に伝わらなかったと。私も確かにそこは大きな問題なのではないかと思っています。朝日や読売などの全国紙でもよく見る、AP電とかUP電というのがなかったということなんですよね。それにしても最後の共同通信側のコメントは、この記事だけではよく分かりませんでしたが。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070918i415.htm
by chicory (2007-09-20 22:47)
shinさんコメントありがとうございます。更に理解が深まります。
shinさんの説明は、この判決の主旨を端的に示しておられますね。
東京新聞の記事にあるこの文言「配信サービスの抗弁」がキーワードですね。
>綿引穣裁判長は判決理由で、記事内容は真実ではないとした上で「3社は通信社から配信を受けたことだけを理由に真実と信じたことが相当とは言えない。記事は担当医の評価を著しく低下させた」と指摘。配信記事を掲載しただけの新聞社は免責されるという「配信サービスの抗弁」を認めなかった(19日東京新聞)。
ご指摘のように、地方紙が「共同通信」から配信されたものを使った際に、その出典を明らかにしなかったので「配信サービスの抗弁」が認められなかった、という判決ですね。
この記事で私が思ったことは、共同通信の責任がないという判断はどうなのか?さらにいえば、たとえ地方紙で取材能力がなくても、それを載せる段階での編集者なり記者なりの見識が入らないことを、「配信だから」許すのはどうなのか?
ということなのですがどうでしょうか。
by snorita (2007-09-21 08:14)
おまけ:共同通信社の江渡悦正編集局次長の話(読売新聞より)「記事を配信した共同通信社の賠償責任を否定し、記事を掲載した加盟社に賠償を命じた今回の判決は極めて不当だ。通信社の配信機能を理解しない内容で到底承服出来ない」
→これは何を言いたいのか意味がぜんぜん分かりません。始めは地方紙だけが責任を問われるのは不当、ウチ(共同通信)も賠償責任がある!と言っているのかと思ってしまいました。新聞を編集している人とは思えないよね、日本語が。
by snorita (2007-09-21 13:25)
snoritaさんブログの掲載有り難うございました。
私ももともと法律は素人ですが、ちょっと勉強すると「配信サービスの抗弁」とクレジットの表記のことが理解できます。この判決の背景には、最高裁判決がありますが、この判決を裁判所に作らせた弁護士さんの説明をブログに加えましたので御覧ください。
「共同通信の意見に対する反論と最高裁判決」
http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_b9e8.html
by 紫色の顔の友達を助けたい (2007-09-21 16:22)
「紫の・・」先生。コメントありがとうございます。近くの病院で仕事をしていたこともあり、先生の事件には非常に関心も持っておりますし、同じ医師として、心から(陰ながらで何も出来ませんが)応援申し上げております。今後も目を離さずにいたいと思います。頑張ってください。
by snorita (2007-09-21 17:32)
snoritaさん、こんにちは。
さてさて、「共同通信が結果的に誤った記事を載せてしまった責任」。申し訳ないですが、事実関係が分からないので私にはなんとも言えません。もちろん、佐藤医師は大変お気の毒だと思います。ただ判決にある通り、「警察会見などから佐藤被告の医療ミスが原因と信じる理由があった」また、その時点で医大側にも取材をした上のことでもあり、誤報はいたしかたなかったのかもしれません。もしかしたら取材が足りなかったのかもしれませんが、それは私には判断できません。ただ(ここからは別の問題ではありますが)当初の誤報は仕方なかったとしても、1人の人間の人生を左右する大問題なのですから、誤報と分かった時点で何らかのフォローを考えるべきなんでしょうね。ここはメディアという「権力」を持った人々が忘れがちなことなのではないかと思います。
そして「配信記事に地方紙が検証をする」ことは、やはりそれは「配信」というシステム上難しいと思います。検証(取材)できないから、配信という手段をとっているわけですから、それができるなら、そもそも配信という手法はとらないわけです。これは「通信社」という存在を否定することになります。おそらく(これも推測ですが)共同通信の編集局次長もこのことを言いたいのでありましょう。ただし、クレジットは当然入れるべきだと思います。
医療関連の報道に関してはメディア側の医療知識不足から起こることもあると聞きます。報道被害にあった人々の救済について、メディア側は真剣に考えるべきなんでしょうね。実際、この「誤報」に関して共同通信、それを配信されて掲載した地方紙はどのような記事を載せているんでしょうか。
by chicory (2007-09-22 23:52)
shinさんこんにちは。詳細なレスありがとうございます。この件、いろいろな面で考えさせられます。判決の趣旨や「配信システムの限界」といったことは現状ではこうというのは分かります。私がここでいいたいことは、そういった現状を踏まえての「個人的な感想」です。
・「配信システム上の限界」という言い訳が許されるのか?共同通信や「有力紙」記事をただ切り貼りして載せるだけが地方紙の仕事なのか?(地方)新聞社という「報道」機関が、それを<取材もせず>可否(正否?)を判断せず、鵜呑みにして載せることが許されている現状は?ただ事実のみを述べるだけならいいが、世論を形成する要素を持って書かれたものはどうなのか?物事には多面性があるわけだから、一面ばかりを載せることに、「報道」人としての判断力・プライドはないのか?
地方紙を読む人は「これは○○新報ではなくて共同通信の記事だから」と実際に区別して読んでいる人は少ないですよね。この判決のようにクレジットを載せないのは問題外だと思いますが、ただ記事を流用することが地方紙の仕事、ということであればその辺のタウン誌や私的新聞のようなものと全く変わらないですよね・・・・その現状を認めなければ配信システムそのものを否定する事になるというのは本当でしょうか?
・そもそも「共同通信」が、正しい配信をしていると言い切れるのか?この件でも実際、配信元の共同通信の記事(「警察発表に基づいた記事」)あきらかにある意味、悪意のあるともとれるような書き方・誤報を含んだ記事だったと思われます。
共同通信は別件ですでに「配信サービスの抗弁」判例があるにもかかわらず、編集長のそれを無視するような意見が、違和感を感じさせます。
さらにいうと、いちど容疑者とか被告とかいうレッテルを貼られると、その後どんなにあれは間違いだったと言っても、そもそもフォローする記事は小さいわけだから特に注目している人でなければ、センセーショナルな事が印象に残る事の方が多い。医師の場合には信用問題が大きいので、更にダメージが大きいです(医師にかぎらずですが)。後のフォローや「救済」だけではダメなのです。最初に記事を配信する時点で、きちんと裏付けされた慎重な報道をして欲しいと切に願っています。この所妊婦搬送問題とか、いろんな報道がなされている一件を見て心からそう思います。
by snorita (2007-09-23 10:36)
本日9月26日の朝日新聞より。
「地方紙側は、体制的にも配信記事の真偽を確かめようがないのが実情だ。訴訟などが起きた場合、訴訟費用の負担も含めて共同が責任を負うことになっている。」
なるほど。共同通信の「到底承服できない」ワケがわかりました。
by keisuke (2007-09-26 23:03)